眼科疾患・手術
網膜硝子体疾患
網膜静脈閉塞症
網膜静脈閉塞症とはどんな病気?
網膜静脈閉塞症(RVO)は、網膜内の静脈が閉塞または狭窄する疾患です。網膜の静脈が詰まると静脈の圧力が上がり、血管から血液や水分が漏出し網膜浮腫をきたします。浮腫が黄斑部(視力に重要な部分)に及ぶと視力低下や歪視(歪み)を自覚するようになります。
RVOの原因として高血圧・動脈硬化があげられます。糖尿病などもリスクを高める一因です。中高年に生じることが多い病気で、発症する平均年齢は60-65歳です。
RVOは詰まった静脈の部位で主に網膜中心静脈閉塞症(CRVO)と網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)に分類されます。
眼底写真
網膜出血を認める
OCT画像
黄斑浮腫を認める
治療方法
黄斑浮腫に対して抗VEGF療法を行います。黄斑の浮腫がなかなか引かない場合や、硝子体出血や牽引性網膜剥離を予防する目的でレーザー治療(網膜光凝固術)を行うことがあります。また、硝子体出血や網膜剥離を生じた場合には硝子体手術を行うことがあります。
どの時期に治療すべきか
RVOの治療は、症状が現れてからできるだけ早期に開始することが重要です。早期に治療を行うことで、網膜浮腫の進行を抑え、視力の回復や安定を図ることができます。特にCRVOは、視力低下が急速に進行するため、発症から早期の介入が望まれます。
治療内容
通常は抗VEGF療法が第一選択とされます。抗VEGF薬は数回の注射が必要になる場合もあります。治療のスケジュールは眼の状態によりますので、担当医とご相談ください。再発することもあり、定期的な眼科のフォローアップが必要です。
視力予後
RVOの予後は、発症のタイミングや治療開始の時期、閉塞の部位(CRVOかBRVOか)、および治療の効果に依存します。早期に適切な治療が行われれば、視力の安定や回復が期待できます。治療後も定期的な経過観察が重要であり、治療を怠ると再発や視力低下のリスクが高まります。