眼科疾患・手術
網膜硝子体疾患
眼内レンズ(亜)脱臼
どんな病気
一般的に白内障手術では、水晶体を細かく砕いて取り除き、水晶体嚢の内部に人工レンズを挿入します。水晶体嚢の上にレンズを固定した場合(嚢外固定)や、嚢内に固定したにも関わらず、加齢や外傷、アトピー性皮膚炎などが理由で水晶体嚢の支えであるチン氏帯が緩んでしまった場合はレンズが中央からずれて脱臼してしまうことがあります。完全に外れると眼の中にレンズが落下することもあります。ずれる程度により症状が異なりますが、ものが揺れて見えたり、進行すると視力が低下することもあります。
眼底写真
眼内レンズの落下を認める
治療
自然に治ることはなく、手術加療が必要です。眼圧が上昇している場合や炎症が強い場合は早期の手術が望ましいとされています。
手術
脱臼したレンズを取り出し、新しいレンズを白眼に縫い付けたり、埋め込む手術を行います。脱臼したレンズを再利用することもあります。硝子体手術を併用します。
予後
視力は術後数週間から数ヶ月かけてゆっくりと回復していくことが多いです。稀に再固定したレンズが虹彩の前に出てきてしまうことがあり(瞳孔捕獲)、その場合は処置や再手術が必要になることがあります。