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眼科疾患・手術

翼状片

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白内障とはどんな病気

翼状片は結膜(白目の部分)の下にある線維芽細胞という細胞が必要以上に増えて、角膜(黒目の部分)へ入り込んできたために生じたものです。本来血管のない部位である角膜に血管が豊富な結膜が入るため、黒目の部分が充血したように赤くみえます。翼状片は通常、鼻側から角膜に侵入します。翼状片が中央へ侵入するにつれ、その侵入した方向へ角膜が引っ張られ乱視が出現します。さらに翼状片が黒目の中央にまで侵入すれば視力は非常に低下します。

治療は?

初期の段階では、紫外線を避ける指導やステロイド点眼による対処療法を行うこともあります。ただ、点眼治療にて翼状片が退縮することはなく、進行すれば手術をして切除する以外に治療はありません。

どの時期に手術すればよいのでしょう?

翼状片による異物感やごろつくといった自覚症状がある、充血がひどくて気になる、黒目の周囲から中央までの中間に翼状片の先端が近づいた時期が手術の適応の時期です。

手術内容は?

日帰り手術で行います。手術は角膜に侵入した翼状片組織を取る手術で、局所麻酔でおこないます。手術時間は術式により異なりますが、30分から1時間程度です。

術後の経過は?

翼状片は結膜の下の線維芽細胞が増えすぎたためにおこる病気です。ですから、翼状片を手術で切除しただけでは、時間が経つとその細胞が再び増殖する可能性が高くなります。翼状片を切除しただけでは再発率は 50%にまでおよびますが、再発率が低い手術方法を当院では採用しています。

翼状片の手術について

手術内容

局所麻酔後、翼状片を剥がします

まぶたに隠れる部分の白め膜(結膜)を採取し、欠損部位に移動し縫合

手術終了

手術は、局所麻酔で日帰り手術で行います。翼状片を単純に切除しただけでは再発率は 50%まで及ぶことがあるのでその再発を予防する方法が必要となってきます。通常、翼状片を単純に切除するよりも、切り取った結膜部分に自分の正常な部分の結膜を縫い付けると再発率が半分以下になるといわれています。この方法は、結膜弁移植とか自己結膜移植といわれている方法で、当院では翼状片手術の多くにこの結膜移植を併用しております。

①角膜に侵入している翼状片組織を丁寧にはがします。結膜の下にある組織も一部切除します。
②むき出しになった部分を補うために、まぶたに隠れる部分の正常な結膜を採取し覆います。
③髪の毛よりも細い糸で、何か所か縫合し手術は終了となります。

初発の翼状片手術はこの方法で行うことが多いのですが、若い方や翼状片が大きい方は手術後に再発することがあります。その際は、再発した翼状片を切除し、細胞増殖を抑える薬(マイトマイシンC)を使用し再発防止をおこないます。この薬は抗がん剤といって、癌の治療に用いられています。これを翼状片手術へ応用しています。この薬剤を手術中に 5 分間患部に触れさせて、あとはきれいに洗い流します。この方法を併用することで、再発率が数%に減少します。マイトマイシンの使用では長い年月の間に強膜(白眼の部分)が薄くなるといった副作用がありますが、きわめてまれです(1%未満)。この薬剤を使用しなければならないような重症再発症例の手術の際には、大阪大学医学部附属病院を紹介させていただくこともあります。

手術後について

手術後は食事等の制限はありません。ただ、手術当日は首から下のシャワー程度にとどめてください。手術後に痛みがでる場合は、鎮痛剤を処方しますので内服してください。手術翌日、手術部位をチェックしますので外来診察していただきます。手術に用いる糸は非常に細いものを使っていますが、術後は1週間ほど糸を残して組織の接着を待ちます。そのためしばらくコロコロした違和感が残ります。ある程度の時期で抜糸をいたします。

手術後は感染、炎症を抑えるために点眼、眼軟膏、内服を処方します。

手術に関しては以下の注意が必要です。

1. 個人差はありますが、術後には眼の痛みを生じます。術後に鎮痛剤を内服していただきます。

2. 手術直後は結膜下出血、結膜充血を伴います。充血の程度は一時的に術前よりもひどくなりますが、日にちがたつにつれて減少します。

3. 極めてまれですが、術後感染症(確率は1%未満)を生じることがあります。

4. 結膜は糸で縫合するため、異物感を生じる場合があります。落ち着いたら抜糸をします。

5. 術後にステロイド点眼および眼軟膏を使用するため、眼圧が上昇することがあります(数%程度)。

6. 手術をしても再発は数%の確率で生じます。再手術が必要な場合もあります。

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