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ぶどう膜炎

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ぶどう膜炎について

1. ぶどう膜炎の分類

ぶどう膜炎は、大きく感染性と非感染性に分類されます。
感染性ぶどう膜炎は、細菌、ウイルス、真菌、寄生虫などの感染が原因で、代表的な疾患には以下があります:

・細菌性:結核菌や梅毒トレポネーマなど。

・ウイルス性:単純ヘルペスウイルス(HSV)、サイトメガロウイルス(CMV)、帯状疱疹ウイルス(VZV)。

・真菌性:カンジダやアスペルギルスなど。

・寄生虫性:トキソプラズマやトキソカラ。

一方、非感染性ぶどう膜炎は自己免疫反応が主な原因とされ、サルコイドーシスやベーチェット病・関節リウマチなど全身性疾患と関連することが多いです。

2. 原因疾患

ぶどう膜炎の原因疾患には、上記の感染性のものに加え、特発性や全身疾患に起因する場合があります。非感染性では、HLA-B27関連前部ぶどう膜炎やサルコイドーシス、ベーチェット病、Vogt-小柳-原田病(VKH)などHLAという白血球の型に相関する病気がよく知られています。様々な検査を行っても原因がはっきりしない特発性のものもあります。

3. 治療法と治療の選択基準

治療の目的は、炎症を迅速に制御し、視機能を維持することです。主な治療法は以下の通りです:

・ステロイド療法

- 局所療法:点眼や結膜下注射。軽度から中等度の炎症に有効。
- 全身療法:内服または静注で使用。中等度から重度の炎症に適応。

・免疫抑制剤

ステロイド単独で効果不十分な場合や長期ステロイドの副作用を軽減する目的で使用されます。シクロスポリン、タクロリムスなどが選択です。

・生物学的製剤

近年、難治性ぶどう膜炎やステロイド治療抵抗性の非感染性ぶどう膜炎 において、抗TNF-α抗体(インフリキシマブ、アダリムマブなど)が有効性を示しています。

・感染性ぶどう膜炎には原因疾患に応じた治療

感染性ぶどう膜炎では抗菌薬、抗ウイルス薬、抗真菌薬などが併用されます。


4. 予後と注意点

早期診断と適切な治療が視力の維持に不可欠です。感染性では治療遅延による不可逆的な視覚障害を避けることが重要で、非感染性では炎症再発を抑えつつ長期的に治療を続ける必要があります。また、ステロイドや免疫抑制剤の長期しようや大量使用に伴う副作用管理も慎重に行わなければなりません。

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